|第5話|司法書士と考える不動産相続|「共有・持分売却」放っておいたのがまずかった!これ、売れますか?
今回のテーマは「「共有 持分売却」放っておいたのがまずかった!これ、売れますか?」」
皆さん「共有」ってどんなイメージを持ちますか?みんなで仲良く物を使おうとか、順番に使っていこうとか、そんな良いイメージもあります。
相続の結果、自宅が相続人の共有になることがありますね。これが問題です。兄弟が2人いて、両親は既にお亡くなりになっています。遺産とよべるのはお父さん名義の土地建物だけ。こういうときに配偶者を含めてみんなの意見が一致すれば問題はないのです。
一例として、何かの理由で、土地建物をお父さんの名義のまま放っておきました。そのあと10年の間に長男は行方不明になり、残る次男が土地建物を処分して、とりあえずお金にしようと考えたとします。
でもこれ、どうしますか。
長男には配偶者も子供もいませんでした。本人の行方がわかりません。次男ひとりで売却をしようにも売買の契約はできるのでしょうか?
実はこういった場合、これまでは次男が自分の持分以外は自由に売却ができませんでしたが今年令和5年4月(1日施行)に法律が変わって(民法第262条の3)、裁判所の許可を得て、長男の持分も一緒に売却できるようになりました。一般に、不動産は持分だけでは売りにくいといわれていますが、この場合は不動産全体を一括で売却できますので、そうした懸念もなくなるということになります。